蛙鳴き
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生演奏
JKの娘が書いたもの。
蛙嫌いの娘がなぜ書いたのか、
それは、私がツイッターにあげたいちまいの写真からはじまる。
田んぼに水が入り、いっせいに蛙がなきはじめる日。
毎年、とつぜんどこからやってきたのだろう思うほどの大合唱にびっくりする。
それをツイートしたところ、いつもよりずっと多くの人にみてもらえたようだった。
娘はどうしてこんな何の変哲もない写真を見る人がいるのか不思議だったらしく、
それからしばらく自分でもよく田んぼを見ていた。
そしてできたのが上のうた。
おもしろいので、メモしておいたら
つれあいがみて
「蛙が演奏しているわけじゃないから、合唱の方があってるんじゃないの」と。
それを娘にいうと
「おー、それは推敲だね。お父さんは韓愈さんみたいだ」と、
漢文で習った「推敲」の話をひとしきり解説してくれた。
「推敲」のあらすじは、こうだ。
賈島(かとう)さんが、試験のためにロバに乗って都に向かう途中で句ができた。
「僧は推す月下の門」
この推すという言葉を「敲(たたく)」にしようか迷いが生じ、
大尹(都の長官)の韓愈(の列)に突っこんでしまう。
賈島(かとう)さんはずうずうしくも、長官の韓愈さんにも、自分の迷いを相談し、
韓愈さんは「敲という文字が良い。」とアドバイスする。
2人はしばし詩について論じ合ったという話。
韓愈さんになれたつれあいはうれしそうで、なんだかうらやましくなった。